ボーカルは10代の日本人!?宇多田ヒカルも認めたSUPERORGANISMに迫る!

2017年に彗星のごとく現れて、各国の音楽ファンをうならせているSUPERORGANISM(スーパーオーガニズム)をご存知でしょうか?音楽好きであればGorillazの楽曲で知った方もいるかもしれません。

携帯会社のCM局にもなったこの曲を聴けば「聴いたことあるけど、10代の日本人ボーカルなの!?」と驚くはずです。2019年のサマソニに出演予定のため、要チェックです!!

ジャンルレス・多国籍のボーダーレス集団

上の曲を聴いたところで、ボーカルはどうせ最初から親と海外に移住していて日本に住んでいなかったんだろう?とか、ななめに見てしまうくらい完成度が高いですよね。ボーカルの来歴なども含めて彼らがどんなアーティストかをひも解いていきましょう。

ボーカルの名前は野口(のぐち)オロノ

たぶんこのアーティストをネットで調べている時点で、ほとんどの方がボーカルの名前は聞いたことがあると思います。彼女のオロノは本名で戸籍上もカタカナ表記である。現在高校を卒業した19歳で、ほかのメンバーとロンドンで生活をしているそう。

Forbes JAPANの「30 UNDER 30」(あらゆるジャンルにおいて、各界を代表する「30歳未満の30人」の日本人を選出する企画)においてサニブラウンや新田真剣佑などの著名人とともに選出されていたり、多方面からの注目度が高い方です。

4歳ごろから父親の影響でWEEZERにはまり、日本の学校になじめなかったため、父親の助けでアメリカの学校に留学したというインタビュー記事が多々ありました。そんな家族の影響もあり、独特の感性や音楽観が備わったのだと思います。以下は「30 UNDER 30」の特集インタビューになります。

Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

英米のトップミュージシャンから宇多田ヒカルまで、プロから支持される新人バンドがロンドンに誕生した。世界ツ…

ビジュアル担当も在籍しているアート集団

他のメンバーについても調べたところ、もともとギターのハリーなどが前身のバンドで日本公演行っており、それをみたオロノが楽屋で声をかけたのがきっかけで友人となったそうです。その後新たにプロジェクトを立ち上げるとなった際に、Facebookで声をかけて現在のメンバーが集まったと、とても現代的な経歴があります(笑)

そのためメンバーの国籍が異なり、韓国出身やニュージーランド出身など、年齢も国籍も全く異なるメンバーがそろっています。今はクラウド上でデータ共有もできますし、近くに住んでいなくとも活動ができるとはいっても、それに賛同して曲作りができるメンバーってのもすごいですよね。

そのすごさは初めての作業からもみえており、メンバーのハリー新しいプロジェクトを立ち上げる際にオロノに声をかけ、オロノが「やります」と返事をした翌日に曲のラフコピーがオロノに送られたそう。驚くべきことにオロノはものの1時間で歌詞とボーカルをつけて返信し、これがこの記事の最初に載せたデビュー・シングル“Something for Your M.I.N.D.”になったそうです。

無秩序のようで洗練されたポップミュージック

“Something for Your M.I.N.D.”は現代的ではなく、かと言って古臭くもない…まったく年代が見えない音楽ですよね。ほかのアルバム曲も基本的には同じ雰囲気です。ではどのような音楽なのか探ってみましょう。

これは“Something for Your M.I.N.D.”をラジオ番組で収録した模様をYouTubeにアップした映像です。
演奏自体は何も難しいことはなく、むしろ単調です。しかしその単調さやポイントで行わているギミック?(グラスを鳴らすこと等)が楽しげであり、流行や現代の音楽シーンなどそういったしがらみを気にせずに好きなことをやっている感じがします。

グラスを鳴らす音やリンゴをかじる音は関係ないようにも感じますが、あれがあることで一種の多幸感が生まれるのではないでしょうか。

また、ドラムやギター・シンセなど特にアメリカでは音源でも打ち込みが多い楽器もあえて演奏しつつも、人力でサンプラーのような繰り返しを作り上げることなど、現代シーンを理解しつつも他にはないサウンドメイクをしています。まるでTame Impalaのようなサイケデリックロックのようとも感じられます。

しかし宇多田ヒカル「パクチーの唄」をカバーしたこの音源を聴いてみてください。リズムはもっとブラックミュージックに近いものがあるようにも感じられます。そこはやはり近年の流行りのHIPHOPをリスナーとして聴いてきている世代だからこそ、バンド形式でありながら、サンプリングに抵抗が少ないのだと思います。

これほどの完成度を見せつけられると、音楽も新たなシーンへ移行しているのだと感じられますね。

等身大で歌うことの大切さ


サウンドメイクに関しては、新たなシーンへの幕開けのように感じましたが、昔の音楽と変化がないことがあります。それは歌詞が等身大であるということ。

ガールズバンドなどにはよくあると思うのですが、歌詞をみてみると割りと彼女自身の思ったことを歌詞にしているような点が見受けられます。

“Something for Your M.I.N.D.”は歌詞の一行目から
“I know you think I'm a psychopath
A Democrat lurking in the dark"

と続いている。これを和訳すると、
”あなたは私のことをサイコパスだと思っていることを知っている
闇に潜んでいる民主主義者”

日本にいたころはあまり友達もできずに悩んでいた経験もあったと書かれていたインタビューもありました。そんな経験もあるからこそこのような言葉選びになるのかなと思います。

そのほかにも、ココアキャンディやペプシといったワードも出てきます。そこらへんは男性が歌詞を作るとなかなか出てきませんし、簡単に歌にあてはめられることができるのは10代の女子ならではの感覚だと思っています。

そんな10代女子の世間と自分自身のギャップや気持ちをそのまま歌っており、ポップカルチャーを語る上では不可欠であり普遍的な部分なのではないかと改めて認識させてくれます。

2018年にはフジロックへ出演し、2019年にはサマソニに出演予定の彼女ら。これからの動向にも目が離せませんね!

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