【RAW現像講座】あえて黒つぶれを狙うコントラスト調整

狙って黒つぶれや白とびの写真を撮ることは誰しもやったことがあるはず。
そんな特殊ケースな写真をさらにカッコよく仕上げるためのRAW現像講座です。

見えないほうがいいこともある

みなさんの中で、マニュアル撮影などを行うと露光量の調整が上手くいかなくて諧調が崩れてしまった…という方はいらっしゃるのじゃないでしょうか。

もちろんそんなときはオート撮影モードで撮るときれいに撮れますが、なかなか設定が難しい。でもRAW現像するにもどの程度だったら許容範囲なんだろう…と思った方!そんなに深く悩まなくてもあえて黒つぶれする位コントラストの強い写真は誰にでも撮影できます!

子の写真なんかは白とびして黒つぶれもしてるのに、魅力的ですよね?
このふたりのストーリーは分かりませんが、夕日をバックにキスをしようとしている男女。よく見れば男の方は上半身が裸で、親密な関係だと思われます…と人間は見えている情報から見えない情報を補完したり、イメージしたりするためそれがさらに美しく見えるのです!

分かりやすく例えるならば、実はこの2人とも男かもしれません。でもそこは暗くてわかりませんし、男女の方がストーリーとして成り立っているため、暗いところは良いように補完され、上記のようなストーリーを構築し美しく見えるのです(笑)

諧調を崩した写真は初めからヒストグラムが崩れているものもありますが、実はそうじゃないものも多々あります。

写真の細かいディテールを編集によって崩すことは可能ですが、最初から破綻している写真を復元は不可能なので、完全に狙った1枚ではない限りとりあえずは情報を残しておくのがベターになります。

また狙って撮影するということは初心者に敷居の高いマニュアル撮影でなければ困難であり、マニュアル撮影の場合、全体が暗くなりすぎたりブレたりするケースも多々あるため、難しいですよね。

そのため黒つぶれしていない写真をRAW現像であえて潰れさせたい場面が出てきます。

黒色主体で情報を減らす

黒つぶれがもたらすメリットが分かったところで、実際の写真を比較してみて効果を見てみましょう。

特に効果が発揮できるのは色の情報が少ない写真です。少ない情報の中で想像力がはたらき、ふとした瞬間を写した写真も印象深く残ります。

モノクロ写真で試してみよう

ということで、色の情報が少ないモノクロ写真で、さらに黒つぶれを狙っていきましょう!

この写真はある劇場の様子を写した写真です。これだと何を表したいのかよくわかりませんよね。それによくよく見ると、非常階段の緑色やスマホの発光など不必要な情報も多々あります。

これをまず白黒にします。

白黒にした時点で奥の席が黒くつぶれて分からなくなりました。これで何となく主体が「手前のお客さんたち」ということだと分かってきました。

この写真をさらに下のような設定で調整しました。

コントラストをさらに高めて、黒いところは黒く、白いところは白くするようにしました。
また、さらに黒く設定し、完全に奥の方の情報を消しました。背景を黒くすることで、手前のお客さんに目線が集中します。

しかし、それだけではディテールが不明瞭になってしまう恐れがあったため、顔の向きや手の位置などがギリギリ分かるようにシャドウとかすみの除去を調整しています。

最終的に出来上がった写真と最初の写真を比較してみましょう。

お客さんの表情などもギリギリ分からないため、弧状に並んでいることに対する美しさや、見えないところで行われている演目についてなど色々な想像がわいてくる写真になったと思います。

最初の写真の状態だとそのまま削除する方もいらっしゃると思いますが、黒つぶれを狙って行うだけで、写真の違う表情を引き出すことができます。

みなさんも一度RAW現像で試してはいかがでしょうか。

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