邦楽が海外で売れるために必要なたった2つこと

昨年に韓国のBTS(防弾少年団)が、アメリカのアルバムチャート"ビルボード200"でアジア圏のアーティストで初めて1位を獲得しました。BTSをはじめとするK-POPアーティストが全世界で活躍する中、邦楽アーティストが世界で活躍するためには何が必要なのでしょうか。

ONE OK ROCKの活動から海外活動を考える

日本ではドームツアーを完売させ、日本のみならず海外での活動も視野に入れて活動しているONE OK ROCK(通称ワンオク)ですが、なぜ海外でも一定の認知を得られているのでしょう。

引用元:http://www.oneokrock.com/jp/

ワンオクの海外での認知度は?

BABYMETALやピコ太郎など海外でも認知度が高いアーティストはいますが、彼(彼女)らの場合は他のアーティストにはない物珍しさから人気が出ていたりするので、ワンオクと少々違います。ワンオクは海外のトレンドを意識した音作りや曲作りを行いつつ、定期的に海外でもツアーを行っており、しっかりとマーケティングを行いながら活動を続けています。

ワンオクは海外ではおよそ3000~5000人規模の会場でライブをできる状態までバンドを成長させてきました。
英詞で歌っている彼らではありますが、元々は日本人による日本のバンド。他の邦楽アーティストとなんら変わりのない活動を行っていました。しかし、なぜここまで海外で認知されるまでの存在になりえたのでしょうか。

海外で活動を始めている6枚目のアルバム「人生×僕=」付近から音作り以外にも曲調自体を海外のトレンドを意識した曲に変化させてきています。海外…特にアメリカのリスナーがどのような音楽を求めているか、リリースした曲がどのように聴かれているかなど、アメリカ受けを積極的に取り入れています。

なぜワンオクはアメリカでブレイクしないのか

ワンオクは"Panic! At The Disco""Paramore"などが在籍している"Fueled By Ramen"というレーベルに在籍しています。洋楽アーティストを知らない方にレーベルメイトのバンドを紹介すると、海外のフェスなどでヘッドライナーとなれるくらいの実力の持ち主です。

ワンオクはそのようなレーベルに所属しており、中規模のライブ会場でライブができる状態ですが、ビルボードのアルバムチャートのトップ50にランクインするには程遠い状況にあります。2019年にリリースされた「Eye of the Storm」はビルボード総合アルバムチャートでは200位圏外となってしまっています。

確かにアメリカでは2019年現在、ヒップホップがメインストリームになっています。ラウドロックを基調とするワンオクには向かい風な状況ではありますが、BTSはその中でも総合アルバムチャートで1位を獲得しています。

違いは何でしょうか。最新作の「Eye of the Storm」ではEDMやヒップホップを基調とした曲が多くありますが、店舗であったり、リズムなどはまだよくあるロックバンドのそれにしか過ぎません。

BTSのビルボード1位になったアルバムはハングルで歌っている曲があるにもかかわらず、売れてたのはマーケティングが上手いというのもありますが、売れる曲調をもっと意識したものだと思われます。バスドラムの拍の位置、ベースの拍の長さ等、数多くの情報を分析して曲を作らなければワンオクがアメリカでブレイクすることは蒸すかしいのでと思われます。

他の日本人アーティストから海外活動を考えてみる

海外での活動を他の日本人アーティストはどのように行っているのでしょうか。今、邦楽アーティストとは言わずに日本人アーティストと記載したのは理由があります。海外で活躍する日本人アーティストは邦楽…つまり日本のマーケットでは活動しなくなっている方が多くなっているからです。

海外で売れるには海外で活動をする

イギリスで活動をしているBO NINGENというサイケバンドを知っていますでしょうか。イギリスを中心に活動しており、イギリスのファッション誌で特集されていたり、KASABIANなどの大物アーティストとワールドツアーに同行したりしているバンドです。

彼らは日本語や英語それぞれので歌う曲を持っていますが、どちらもイギリスでリリースしています。彼らはどんなに海外アーティストと同じ環境で海外アーティストと同じ曲調で演奏をしても「グレイトジャパニーズ」だと表現されることが多いそうです。

さらにSuperorganismという多国籍バンドのメインボーカルを野口オロノ(のぐちおろの)もイギリスで英詞のみで歌を歌っており、ワールドツアーを回っています。彼女もまた「すごいアジア人だ」という認識をされることが多いそうです。

日本人受けを意識しながら海外で活動するとどっちつかずで売れないのであれば、最初から海外で活動してみてはどうか。と割り切るのも方法の一つとしてよいのではないでしょうか。

売れるためにいちばん重要なのはネット戦略

全世界でほぼ同時に新曲を聴くことができる現代では、音楽の世界においてもインターネットの重要性がとても高いことが分かります。しかし、日本の事務所や邦楽アーティストはインターネットでのマーケティングが下手だと言えます。

音楽ストリーミングサービスのSpotifyの世界ランキングでは"J.balvin"を筆頭に近年ラテン音楽が多く入ってきています。スペイン語で歌うことを誇りに活動している彼らは、ラテン音楽と流行をお互いに掛け合わせています。アメリカのアーティストがラテンアーティストをフューチャーし、ラテンアーティストがアメリカのアーティストをフューチャーするなど世界で活動する幅を大きく広げてきています。

単純にスペイン語は母国語としている国が多いという側面もありますが、ストリーミングやYouTubeなどで世界に積極的に発信し、ライブを全世界に公開するなど認知度を飛躍的に高め、ここ数年で一気に流行となりつつあります。

邦楽アーティストはMVをショートバージョンで公開してたり、ライブの撮影も禁止。ストリーミングでも音楽を配信しない。などCDの売り上げを維持しようとすることにだけ必死になっているように感じます。

インターネットは誰でもアクセスできる可能性を秘めているにも関わらず、それを自ら放棄してしまう。そのような状況であれば検索にも引っかからないでしょうし、潜在的なリスナーを排除している状況を作り出してしまっていると言えるでしょう。

特にBTSなどのK-POPのアーティストはハングルで歌っていてもアメリカで成功している例も多々あるため、日本語で曲を作っているから海外で売れないと言い切ることはできないのではないでしょうか。

まとめ

邦楽アーティストがさらに活躍することで新しい日本の音楽シーンを築き上げることもできるかもしれません。しかし今のままでは邦楽はさらに海外と隔絶されたニッチなジャンルになってしまいます。そうならないためには「世界のトレンドを細かいところまで意識する」「インターネットを今以上に活用する」この2点が絶対的に必要だと言えるでしょう。

もちろん、売れるためには良い曲を作れることが前提条件ですので、悪しからず。

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