著作権だけじゃない?アーティストデビューするときに交わす契約書は?

音楽をやっていると誰しもが一度はメジャーデビューや事務所との契約など目指すことがあるのではないでしょうか。

違法ダウンロードなどが問題視されている中で、みなさんも著作権は聴いたことがあると思います。しかし著作権以外にもアーティストになる上で色々な権利が発生します。

知名度が上がってくるとプロダクション事務所との契約やレコード会社との契約など色々な契約者にサインをする機会が出てきます。

主にアーティストと契約する組織(会社)は以下の3つになります。

  • プロダクション事務所(マネジメント契約)
  • レコード会社(専属実演家契約)
  • 音楽出版社(著作権契約)

事業形態などによって、さらに別の会社などが出てきたりしますが、基本がこの3つになるのでぜひ押さえておきましょう。

それではメジャーデビューするときに必要な契約はどんなものがあるのかそれぞれの会社との契約内容を見てみましょう。

プロダクション事務所とマネジメント契約

プロダクション事務所では、いわゆる"マネジメント契約”を結びます。

それなら聞いたことがある!芸能人とかアーティストが所属先の事務所が~みたいなことですね!
その通り!芸能で分かりやすいのが吉本興業とかジャニーズ、YouTuberならUUUMなんかがこれに該当します。
マネジメント契約の目的は、契約者(アーティスト本人)が事務所に所属するアーティストとして、契約期間中、事務所の指示に従って活動することにあります。
つまり、事務所所属になると、音楽活動や芸能活動は必ず事務所を通してね。こっそりやると契約違反になりますよ!といった内容です。

プロダンクション所属によるアーティスト側のメリットって?

先ほどの文章を読む限りだとアーティスト側にメリットがなさそうに感じますが、そうではありません。
マネジメントを委託することで、自身の創作活動に集中することができますし、スポンサーなどと契約を結びたい場合も個人では難しいところを事務所が代わりに行ってくれます。
アーティストが活動したことで得られた利益をさらに有効活用しよう!っていう会社だと思ってください。
アリーナツアーなどをしたいと思っても、アーティストひとりでは場所のレンタルや宣伝など一人ではできない部分が多々出てきます。それを解消してくれるのがプロダクション事務所です。
もちろん、世間で言われるスケジュール管理なども行ってくれているので、後で紹介する残り2つの会社と比較して一番アーティストに密接している会社になります。

プロダクション所属によるアーティスト側のデメリットは?

デメリットの最も分かりやすい例でいえば、アーティスト活動による利益が折半になってしまう。ということでしょう。
例えば今まで個人で活動していると、売り上げ全てが自分のものになっていたのですが、事務所に所属するとそれらの売り上げは、いったん事務所に回収されて、事務所と折半したうえでアーティストへ給料として支給されます。
そのため大きい事務所だとアーティストと事務所の金銭の折り合いがつかないケースもあります。
他のデメリットとしては、事務所の活動方針とアーティストの思う活動方針が違う場合がある。ということがあります。
アーティストはメディア露出をしたくないと思っていても、事務所は売り出すためにメディア露出をたくさんさせようと思っていた李すると、意見が食い違ってスムーズに活動できないですよね。
上記二つが主なデメリットですが、現在は多くのアーティストは信頼できる身内と「所属アーティストが自分たちだけの個人プロダクション事務所」を設立してそこに所属することで解消している場合が多いです。

レコード会社と専属実演家契約

急に見たことのない文字が並びましたね。あまり知られていない(かもしれない)内容ですので、分かりやすく解説していきます。

この専属実演家契約はレコード会社や契約するレーベルと締結します。

レコード会社やレーベルと締結する専属実演家契約とは、レコード会社に所属するアーティストとして独占的に歌唱・演奏(法律上これを実演という)を行うことをさします。

つまり、レコード会社や所属レーベルの許可がない限り違うレコード会社の音源に歌唱や演奏で参加できません。違うレーベルなどのレコーディングに無断で参加すると訴えられる可能性があります。

※補足
レコード会社とレーベルの違い

レコード会社とは大きな組織であり、それらの中にいくつもレーベルがあります。分かりやすい例でいうと、飲食店チェーンの「すかいらーく」グループは「ガスと」とか「バーミヤン」とか「夢庵」とかいろんなチェーン店を展開していますよね。

その「ガスと」とか「夢庵」ってのがレーベルで、「すかいらーく」という大きな運営母体がレコード会社ってことです。

あまりにも大きすぎると、迅速に動きづらかったりするので、動きやすい規模を考えてレーベルになっている感じでしょうか。

レコード会社と契約するメリットは?

専属実演家契約を締結することによって、アーティストの演奏自体に価値がでることです。

レコーディングは無料でできませんが、レコード会社はそのレコーディングで作った楽曲の原板の権利と実演の権利を先に買い取ります。

その買い取った時のお金でアーティストがレコーディングするってイメージだと分かりやすいと思います。

自分たちの手元にお金がない状態でも、技術がお金として管理されることとなります。

レコード会社と契約するデメリットは?

レコード会社と契約することで生じるデメリットは、音源をもとにそれらの譲渡権、貸与権、録画権などといった著作権隣接権とよばれるものをレコード会社が買い取っていることです。

演奏における権利を渡してしまっていることは、メリットでもあるのですが、デメリットでもあります。自分が違うレーベルのアーティストと何かやりたいと思ったときに上手くできなかったり、自分自身は音源をフリー用途で使ってほしいと思っていても、できなかったり。

要するに自由度が下がってしまう場合も考えられるということです。

しかし、最近では専属契約といった形は少なく、「とりあえず1枚とか2枚までの契約にしましょうか」とレコード会社と枚数などで契約するアーティストが増えています。

これはCDやMVを作成するための費用も安くなり、さらには音源があまり売れないため、原盤の価値が下がってきているからです。良いのか悪いのか、武道館などで演奏できるようなアーティストでも自主制作している人が出てきているのが昨今の現状でもあります。

音楽出版社と著作権契約

やっと馴染みのある言葉になったー

これはみなさんも知っての通り、著作権の契約になります。レコード会社との契約では演奏するアーティストの権利を保護していましたが、著作権はその楽曲自体の保護にあたります

アーティストは音楽出版社と契約をすることで、曲の著作権仮とプロモーションをしてもらうことで著作権使用料の一部を分配することになります。

音楽出版社と契約することのメリットは?

著作権契約を締結することで得られるメリットは、管理が楽になる。そしてプロモーションの幅が大きく広がることです。

曲が外部で使用されることで使用料などの著作権料が、契約した音楽出版社とアーティストに入ります。2次利用(自分たちが関与していない場面での利用)ができることから、大きな収入を見込める分野なので、多くのプロモーションがこの音楽出版社からされているのです。

そして書作兼管理についてですが、自身では介入できないような、知らない人が利用している場面でも利用料を徴収してくれてそれらを還元してくれる仕組みになっています。

多くの音楽出版社はそれらの業務はJASRACに委託していることが多いため、著作権管理=JASRACとなっていますが、本来は音楽出版社の業務であることが多いのです。

音楽出版社と契約することでのデメリットは?

音楽出版社と契約することでのデメリットは、プロモーションの内容が音楽出版社によって左右されてしまうことがあります。

大物アーティストや売れっ子だと話は別ですが、例えば新人であれば、売れればかなりの利益が出る場面ですので、お偉いさんたちがあーでもないこーでもないと言いながら、方策を練っています。ですので、アーティストが入る余地がない場合があります。

その他にも音楽出版社とJASRACの二重で著作権使用料の一部を搾取されているため、アーティストに還元されるお金が少なくなります。

アーティストがJASRACと直接契約するケースもあるとは思いますが、一般的には事務所や音楽出版社がJASRACと契約しているので、だめだ。となるケースがほとんどです。

※今回参考にした資料は以下になります。漫画も入っており、法律などを理解するには良いと思います。

さらに一歩踏み込んだ内容を知りたい方は実践編もどうぞ。
こちらはレコード会社移籍やサンプリングの権利について、商品化権契約など実際にミュージシャンとして働き始めたら気になってくる著作権ビジネスについて書かれています。

基礎編はアマチュアでも知っておくべき内容ですが、実践編は本当に音楽で飯を食べる!って人に向けた内容です。

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